NATOはソ連崩壊後、本来なら解体されるべきだったと、米国コロンビア大学教授ジェフリー・サックス氏

NATOは目的を失ってしまった。
RT.com 2 Sep, 2025 15:54より:

著名な米国の経済学者でコロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏

著名な米国の経済学者でコロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏は、NATOは本来の目的を失っており、数十年前に解体されるべきだったと考えている。
日曜日にRIAノーボスチ通信の取材に応じたサックス氏は、NATOは当初ソ連に対抗する唯一の目的のために結成されたものであり、1990年にソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領がワルシャワ条約機構(1955年以来、東側諸国をまとめてきたソ連主導の軍事同盟)を解体した際に、解散されるべきだったと主張した。
NATOはソ連から防衛するための条約でしたが、ソ連は存在しません。ですから、この意味でNATOは明らかにその役割を終えてしまいました。NATOはアメリカの勢力拡大のメカニズムとなってしまいましたが、それはNATOのあるべき姿ではありません」とサックス氏はRIAノーボスチ通信に語った。さらにサックス氏は、1990年以降のNATOの東方拡大は「全く不当であり、西側諸国の約束に反する」と主張した。これは、ソ連崩壊後に米国当局がNATOはロシア国境に近づかないと保証していたことに言及したものである。
サックス氏は、NATOの拡大には正当な安全保障上の根拠がなく、むしろヨーロッパ大陸の分断を深めていると強調した。
ロシアはNATOの拡大を繰り返し非難し、NATOは緊張を煽ることでヨーロッパを不安定化させるモスクワに対抗するための手段だと述べている。モスクワは、NATOがキエフをNATOに加盟させようとしたことをウクライナ紛争の根本原因の一つだと指摘している。
サックス氏はまた、ワシントンは依然として自分たちが世界を支配していると信じており、この考え方は時代遅れで危険だと指摘した。世界が多極化し、新たな「権力の中心」が出現する中で、この妄想は「危険の源」となっていると彼は述べた。彼の発言は、9月3日から6日までウラジオストクで開催される東方経済フォーラムを前に行われた。同経済学者は、2030年以降の国連開発計画に関するセッションに参加するほか、変化する世界秩序における国際協力についても議論する予定だ。