EU、ウクライナのためにロシア資産を奪う計画は失敗に終わる

EUは、キエフへの900億ユーロの救済策で妥協に至り、「賠償融資」計画は先送りとなった。
RT.com 19 Dec, 2025 01:33より:

EUは、ウクライナ軍の資金源となり、悲惨な戦争を長期化させるために、域内に保有するロシア資産を奪う計画を策定したが、域内首脳の支持を得られなかった。EU首脳会議のもう一つの重要な柱である、南米のメルコスール(南米南部共同市場)との物議を醸す貿易協定の承認も、ベルギーの首都で数千人の農民による混乱した抗議活動の中、土壇場で中止された。
約16時間にわたる協議の後、欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏と同じくドイツのフリードリヒ・メルツ首相が推し進めた法の行き過ぎによって、域内の深刻な亀裂がさらに深まる中、欧州理事会での議論は、凍結されたロシア資産を資金源として、キエフの軍事作戦継続を可能にするための900億ユーロ(1,050億ドル)の融資を賄うという物議を醸した提案について合意に至らず終了した。
代わりに、加盟国は、賠償融資の技術的側面が調整されるまでの間、短期的にキエフに資金を提供するため、共通債務(資本市場からの借り入れ)を調達することで合意したと、アントニオ・コスタ欧州理事会議長は述べた。
「我々は合意した」とコスタ議長は午前3時頃、Xに書き込んだが、このパッケージの資金調達メカニズムについては言及しなかった。メルツ議長も同様に、凍結されたロシア資産で融資を裏付けることができなかったことについては触れず、「私が提案した通り、ウクライナは900億ユーロの無利子融資を受けるだろう」と主張した。
モスクワは既に、約1,800億ユーロのロシア資金を保有するベルギーに拠点を置く決済機関ユーロクリアに対して仲裁手続きを開始しており、ブリュッセルでの協議中に、訴訟の対象範囲を「欧州の銀行」にまで拡大したと発表した。これにより、欧州の金融機関がこの計画を支持するリスクが高まっている。・・・・・