ロシアに対する近視眼的な制裁により、EUは新たなエネルギー危機

Geopolitics Live Nov. 24, 2024より:

埋蔵量の枯渇とロシアに対する近視眼的な制裁により、欧州は新たなエネルギー危機に向かって突き進んでいる
欧州は2022年のエネルギー危機の再来に直面している。晩秋の寒さで暖房需要が高まり、ガスの在庫が急速に枯渇しつつある。2024年に備蓄を補充するのに役立った供給源は、いくつかの理由で入手できなくなる可能性が高いと、ニュースサイト「ブルームバーグ」は警告した。

欧州連合がロシアからの安価なエネルギー供給を遮断しようと努力しているにもかかわらず、ロシアの天然ガスは依然としてハンガリーやスロバキアといった中欧諸国に供給されている。オーストリアもロシアの天然ガスを受け取っていたが、ロシアのガスプロムが11月16日に国営エネルギー会社OMVへの供給を停止した。

欧州は、年末にウクライナ経由のロシア産ガス供給が停止する可能性に備えている。キエフは、ガスプロムとウクライナのナフトガス間の輸送取引契約を延長しないと発表した。

米財務省は11月21日、ガスプロム銀行とその海外子会社6社を含むロシアに対する新たな制裁を発表した。
これらの要因はすでにEUのガス価格に影響を与えており、今年は45%上昇して1000立方メートル当たり500ドルを超えている。ブローカーのデータに基づく予測によると、来年の夏のガス先物価格は翌年の冬よりもさらに高くなるという。
ガソリン価格の上昇は、消費者の生活費危機を深刻化させ、製造業への圧力を高めると予想される。
「これは、EUがどんな価格でもガスを購入する2022年のシナリオに似てきている」とグローバル・リスク・マネジメントの主任アナリスト、アーネ・ローマン・ラスムセン氏は述べた。

米国主導の対ロシア制裁で最も大きな打撃を受け、現在は液化天然ガスの輸入に依存しているドイツが、再び「最も大きな打撃を受ける」可能性が高いと、サクソ銀行ASの商品戦略責任者オーレ・ハンセン氏は警告した。

EUが天然ガス輸入停止に努めているにもかかわらず、ロシアは2022年春以来初めて9月にEU最大の天然ガス供給国となった。スプートニクが欧州統計局のデータを基に算出したところ、ロシアのシェアは23.7%に達した。