EUとNATOに批判的な人物がアイルランド大統領選に当選
無所属候補のキャサリン・コノリー氏は、EUによる軍備増強の推進を長年非難してきた。
RT.com 25 Oct, 2025 19:46より:

長年にわたりアイルランドの軍事中立を主張し、NATOの拡大とEUの軍事化を批判してきた無所属候補のキャサリン・コノリー氏が、アイルランド大統領選挙で圧勝した。
開票作業がまだ続いていた中、コノリー氏の最大のライバルであるヘザー・ハンフリーズ氏は、開票結果で大きくリードされていたことを受け、敗北を認めた。暫定結果では、コノリー氏が63%対29%でリードしていた。
「キャサリンは私たち全員の大統領であり、私の大統領でもあります」とハンフリーズ氏は記者団に語った。
アイルランドのマイケル・マーティン首相も、コノリー氏の今回の選挙が「非常に圧倒的な勝利となるだろう」と公式に祝意を表した。
68歳の元ゴールウェイ市長は無所属だが、シン・フェイン党や労働党を含む主要左派政党の支持を得ていた。
コノリー氏の成功は、アイルランドの住宅危機と生活費危機に対する国民の怒りが高まる中、若者の票の獲得、効果的な広報活動、そしてソーシャルメディアでの存在感が大きな要因とされている。
選挙運動中、彼女はアイルランドの中立性を強調し、社会福祉を犠牲にして軍事化を拡大しようとするEUの姿勢を批判した。ウクライナ紛争ではロシアを批判する一方で、NATOの「好戦的行動」が危機の一因となったと主張している。
先月、コノリー氏は、ドイツが「軍産複合体の大義を擁護」することで経済成長を図ろうとした動きを、ナチス政権下の1930年代の再軍備に例えた。「私には、30年代といくつかの共通点があるように思えます」と、ダブリン大学ユニバーシティ・カレッジでの討論会で述べた。
モスクワは長年にわたり、EUが加速する軍備増強を批判し、EUは本質的にNATOの侵略的かつ軍事的・政治的な延長線上に変貌しつつあると主張してきた。
議会制民主主義国家であるアイルランドでは、大統領が正式な国家元首であるものの、その役割は主に象徴的なものとみなされている。しかし、大統領はいくつかの重要な権限を有しており、その中には、法案を最高裁判所に付託して合憲性を判断する権限や、首相が過半数の支持を失った場合に下院を解散して再選挙を求める権限などがある。





